裁判の流れ

裁判を起こすには

裁判を起こす前に

裁判以外に方法はありませんか?
話合いは十分しましたか?
裁判にはメリットもデメリットもあります。メリットは勝訴すれば,自分の要求を実現できる権利を手に入れられることです。しかし,相手が自分から払ったりしてくれなければ,強制執行という手続きが必要になります。これは時間も手間もかかるのでデメリットとも言えます。
そこで,裁判になっても和解をすることが多々あります。和解の場合は金額などが低くなってしまいますが,双方納得しているので強制執行なしに要求を実現することがたいていできるのです。
そうであっても,裁判には時間がかかるのは事実です。裁判をする前に和解などができるに越したことはありません。

いよいよ裁判,となっても

いきなり裁判所に行く前にしておいたほうがいいことがあります。
相手に裁判をしますよ,ということは言ったほうが良いです。それだけで話に応じてくるかもしれません。
訴えの内容によっては,裁判の前に言ったほうが良い内容もあります。例えば,期限を決めずにお金を貸している場合,「返して下さい」ということを事前に言ったほうが良いです。
通常,こうした通知を「内容証明郵便」で行います。
そして,この出した文書を証拠として,訴状につけて出します。
このように,裁判の前に検討すべきは「証拠」です。証拠のあるなし,良し悪しが裁判の行方を決すると言ってもいいでしょう。
なので,相手に求める内容に応じた証拠を事前にそろえることが重要です。

訴状をつくります

訴状の書き方には色々ルールがあります。形式的なことから内容面までルールがあります。
文字の大きさや行数なども,一応決まっているのですが,こういう文書の見栄えに関する点は,異なっていても受け付けてはくれます。
しかし,なるべくならルールに従いましょう。そのほうが,裁判所の事務も円滑に進めてもらえると思います。
もちろん,内容が一番重要です。しかし,ここが一番難しいところです。
「それらしいもの」なら,今ではネットで調べればなんとか作れるかもしれません。
しかし,争いというのはある程度パターン化できますが,特有の事情というのもたくさんあります。
ひな形を真似しても,大きな失敗になる可能性もあるのです。ある請求をするには,必ず言わなければならないことというのが決まっているのです。
言うべきことを書いていない訴状を出しても,決して勝訴はできません。
逆にいう必要のないこともあります。いう必要のないことを言っても,負けるわけではありませんが,「言わなければならないこと」と「言う必要のないこと」の区別がついていることが重要です。それがわからないと裁判の進行が理解しづらくなるのです。

期日に出頭します

出頭とかいいますが,要は決められた日時に,裁判所に行くだけです。
第1回期日は,たいていあっという間に終わります。
30分刻みで,その30分の中にいくつもの事件があったりします。
第1回期日ですることは,原告は訴状の陳述です。すでに訴状という文書を裁判所に出しているので,裁判官から「陳述しますね」と聞かれるので「はい,陳述します」といえば,訴状の内容を法廷で喋ったということになります。
被告の方も,通常は答弁書を出しているので,それを同様に陳述します。
次に争点を絞り込んでいきます。
あらかじめ「争点」が絞りこまれていると,後の進行は早いです。複雑な事案ですと,まず争点の整理作業から始まります。
そもそも争いがなければ,第1回で結審となるかもしれません。
争いがあれば,その点について証拠調べとなります。証拠はおもに文書を提出します。事案に応じて契約書や領収書その他のものが提出されます。陳述書というものが提出されることもありますが,これは,喋った内容を文書化したもので,文書の一種ではありますが,さきの契約書などの文書とは性質の違う証拠となります。
証拠には他に証人があります。当事者自身を証人として調べる場合もあります(当事者尋問)。
証人尋問のほうが,ドラマなどでは馴染みがあるかもしれませんが,証人尋問が行われることは必ずしも多くはありません。まず文書があるならそれが優先されます。
証人尋問はある程度の時間がかかりますので,その期日はさすがにすぐには終わりませんが,それ以外は基本は文書のやり取りなのです。次までに「○○を出してください」といったことを確認して,次回期日を決めて終わりです。
これらの証拠をどう扱うかは,裁判官の自由です。
何回かの期日を経て,和解をするか,判決にまで至るか,たいていどちらかの結果になりますが,原告が訴えを取下げたり,被告が請求を認めてしまう場合もあります。

次の展開

和解になれば,それで終了です。
判決の場合は,不服があれば,控訴できますのでさらに裁判が続きます。
勝訴しても,相手が任意に支払い等をしない場合は強制執行の手続きが必要になります。
強制執行するには,相手の財産がわからないとできません。
相手に財産がないとそもそもできません。せっかく裁判に勝ってもそれだけで終わってしまう可能性もあるのです。
相手の財産状況なども考慮して,方針決定する必要があるのです。
勝訴判決になれば,それでバンザイというわけではないのです。和解のほうがよいというケースもあるのです。

裁判入門ー基本編