遺産分割調停-審判

独身のAさんはお母さん名義の家にお母さんと同居しており,Aさんの兄弟姉妹はそれぞれ結婚して別の場所に居を構えていました。
お母さんが亡くなり,遺産分割協議がはじまりました。結婚していた兄弟の一人がAさんは一人になったのだから,もうその広すぎる家に住む必要はない,自分たち家族がお母さんの家に住みたいから,家は自分たちによこせと主張をしました。それが無理なら,家は売り払って,そのお金をみんなで分けようと言い出しました。

Aさんは今まで住んでいた家に当然住み続けるつもりでしたので,話し合いは平行線に。
ついに兄弟姉妹たちは,弁護士に依頼し,話し合いは裁判所に持ち込まれました。

Aさんは,当初は自分で文書を作っていたのですが,怒りにまかせた感情的な文章になってしまい,裁判官や調停委員に読んでもらう文章としてそれが適切なのかわからなくなってしまいました。
そこで,Aさんは司法書士のアドバイスを受けることとし,司法書士に自分の言い分をよく聞いてもらい,自分の気持ちをわかりやすい文章にしてもらいました。
司法書士は,この兄弟間の対立は,それぞれの幼少期からの確執が反映していて,いわばAさんを寄ってたかって家から追い出そうとする動機があるものだと分析して,それを文章化しました。

結果的に,Aさんは弁護士を向こうに回して,お母さん名義の家はAさんが相続するという審判をかちとることができました。
ただし,このケースは,弁護士に勝ったというより,兄弟姉妹たちの主張がそもそも無理があるものだったと言えます。

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